「サイトを改修したら、問い合わせが増えた」
こういう結果が出るとき、何が変わっているのでしょうか。
デザインがきれいになったから、ではありません。ページ数が増えたから、でもありません。
130社以上を支援してきた中で、問い合わせが増えたサイトには共通した改善点がありました。業種も規模も違う会社が、同じ変化を経て結果が出ています。
今回はその共通点を、実際の事例をもとに整理します。
共通点1:「経営者が伝えたいこと」から「訪問者が知りたいこと」に変えた
問い合わせが増える前のサイトには、ある共通した状態があります。
「経営者の視点」で作られていることです。
経営者は「うちの実績」「代表の経歴」「サービスの詳細説明」を伝えたいと思っています。でも初めてサイトを訪問した人が最初に知りたいのは、「自分の悩みがここで解決するかどうか」です。
この視点のズレを修正したとき、問い合わせが動き始めます。
クリニックの事例
サイトには「院長の経歴」「診療科目の説明」「診療実績」が中心に掲載されていました。新規患者からの反応はゼロでした。
ヒアリングで「初めて来院する患者さんが最も不安に感じることは何か」を掘り下げました。「何をされるのかわからない」「雰囲気が怖そう」「どのくらい時間がかかるか」という答えが出てきました。
改修では、初診時の流れ・院内の雰囲気がわかる写真・よくある質問を前面に配置しました。「診療実績」より「安心して来られるかどうか」の情報を優先した構成に変えたところ、掲載イベントへの新規患者の反応が出始めました。
伝えたいことと、知りたいことは違います。 サイトに書くべきは、経営者が伝えたいことではなく、訪問者が知りたいことです。
共通点2:「何の会社か」が5秒でわかるようにした
サイトを開いた瞬間、訪問者は無意識に「ここは自分に関係あるか」を判断します。その判断にかかる時間は、5秒もありません。
この5秒で「関係なさそう」と感じれば、そのまま閉じます。
改修前のサイトのトップページは、会社名と代表の挨拶文から始まっているものが多いです。それ自体は悪くありませんが、「あなたのどんな悩みを、どう解決できるか」が伝わらない構成になっています。
英会話教室の事例
トップページには「○○教室です」という簡潔な説明があるだけでした。5年間、サイト経由の問い合わせはゼロ件でした。
教室の本当の強みをヒアリングで引き出しました。「ネイティブ講師による少人数制で、まるで留学のような環境」という軸が見えてきました。でもそれがサイトのどこにも出ていませんでした。
トップページの冒頭を「ネイティブ講師による少人数制で、実務英語が短期間で身につく環境」という言葉に変えました。「誰に向けた、何の教室か」が5秒で伝わる構成にしたところ、改修後2ヶ月で全問い合わせの30%がサイト経由になりました。法人からの研修契約も入りました。
トップページの最初の一文が変わるだけで、サイト全体の印象が変わります。
共通点3:「選ぶ理由」を言葉にした
サイトを見た訪問者が「よさそうだな」と思っても、「なぜここを選ぶのか」が見えなければ問い合わせには至りません。
「品質にこだわっています」「丁寧な対応を心がけています」という言葉は、どの会社のサイトにも書かれています。これは「選ぶ理由」ではなく「当たり前のこと」です。
改修で効果が出たサイトは、他社が言えないことを具体的に言葉にしていました。
老舗ギフト関連小売業の事例
サイトには商品説明が丁寧に掲載されていましたが、「なぜこの会社から買うのか」が伝わらない状態でした。
経営者に「この会社の特徴を3つ挙げるとしたら」と聞きました。「○○という技術」「100年以上の実績」「品質へのこだわり」という言葉が出てきました。次に「それが新規客にどう伝わってほしいか」を聞きました。「品質が高い=値段に見合う」「長年の実績=信頼できる」「プロからも認められている」という形が見えてきました。
この言葉をトップページに配置し、製造工程の写真で「こだわり」を見える化しました。取引実績を掲載して「プロからの信頼」を示しました。
結果、大手企業からの法人取引の問い合わせが入りました。
「選ぶ理由」は経営者の頭の中にあります。それを引き出して言葉にすることが、サイトの力を変えます。
共通点4:「次に何をすればいいか」を導線として設計した
訪問者は、自分から積極的に動いてはくれません。
「サービス内容を読んだ。次は料金を見たい」と思っても、料金ページへのリンクが見当たなければ、探すより先に閉じます。「申し込みたいと思った」ときに、申し込み方法がわからなければ、そのまま離脱します。
問い合わせが増えたサイトは、「訪問者が取るべき次のアクション」が常に見える状態になっていました。
よもぎ蒸し店の事例
リニューアル前、集客は既存客のクチコミのみでした。WEB上の情報はGoogleマップのみで、サイトはありませんでした。
サイト制作では「新規客が来店を決めるまでの流れ」を設計しました。トップページで「どんなお店か」を伝え、サービスページで「何ができるか・価格はいくらか」を示し、「初回来店の流れ」で「初めてでも安心」を伝え、予約フォームへの導線を設置しました。
各ページに「次はここへ」という案内を置き、訪問者が迷わず予約まで辿り着けるように設計しました。
サイト公開から約半年後、来客数が2倍になりました。新規客がSNSで発見してサイトで予約するという流れが機能し始めたためです。
「どこに何があるか」を訪問者が探す必要がないサイトが、問い合わせを増やします。
4つの共通点を整理すると
問い合わせが増えたサイトは、次の4つの改善をしていました。
① 訪問者が知りたい情報を優先した
経営者が伝えたい情報より、「初めて来た人が最初に知りたいこと」を前面に出した。
② 5秒で「自分に関係あるか」が伝わるようにした
トップページの冒頭で「誰の・どんな悩みを解決できるか」が一言で伝わる構成にした。
③ 他社が言えない「選ぶ理由」を言葉にした
「品質へのこだわり」ではなく「なぜそのこだわりがあなたにとって価値なのか」を具体的に示した。
④ 次のアクションへの導線を設計した
訪問者が迷わず「問い合わせ・予約・申し込み」まで辿り着ける流れを作った。
共通しているのは、どれも「デザインの改善」ではなく「情報の設計の改善」だということです。
見た目を変えなくても、情報の優先順位と言葉を変えるだけで、問い合わせは動き始めます。
自社のサイトに当てはめてみる
今のサイトを開いて、4つの改善点を確認してみてください。
□ トップページは「訪問者が最初に知りたいこと」から始まっているか
(会社の沿革や代表挨拶より先に、「何ができるか・誰のためか」が出ているか)
□ トップページを5秒見て「自分に関係あるか」が判断できるか
(初めて来た人に、5秒で伝わるか)
□ 「なぜうちを選ぶのか」が、他社が言えない具体的な言葉で書かれているか
(「丁寧な対応」「品質へのこだわり」だけで終わっていないか)
□ サービスページから問い合わせまで、迷わず辿り着けるか
(「次はここへ」という案内が各ページにあるか)
4つ全て「できている」と言えるサイトは、実際には多くありません。1つでも「怪しいな」と感じた箇所が、問い合わせを止めている場所です。
「どこが問題かはわかったが、どう直せばいいかわからない」という場合は、ヒアリングの中で一緒に整理します。今のサイトを見せていただければ、どこから手をつければ問い合わせが動き始めるかをお伝えできます。