WEBサイトの制作を考える経営者は多いです。でも、多くの場合、制作業者に「お願いします」と丸投げしてしまいます。
その結果、完成したサイトは「何の特徴も出ていない」「競合と同じような内容」になってしまい、せっかくお金をかけても、問い合わせや成約につながらないという悔しい結果になるケースが少なくありません。
実は、このような失敗は「最初の段階」で防ぐことができます。それは、サイト制作前に『3つのこと』を決めるかどうかです。
この3つを決めるだけで、その後のサイト制作の成功確率が大きく変わり、集客効果も全く違ってきます。
「最初に決めるべき3つ」とは何か?
では、その「3つのこと」が具体的に何かを説明します。
それは以下の3つです:
- あなたの事業の軸は何か
- 新規客は誰か
- サイトを通じて、新規客にしてもらいたいアクションは何か
聞くと簡単に聞こえるかもしれませんが、この3つを明確に決めている経営者は意外と少ないのです。
No.1:あなたの事業の軸は何か
「軸がない」と、サイトは曖昧になる
経営者は、自分たちの事業について「当たり前」と思っていることがたくさんあります。それが、実は新規客にとっては「選ぶ理由」になっています。
でも、その「当たり前」を言語化できていないと、サイトには何も出てきません。
事例1:教育関連事業者
軸がない場合: 「大人向けのサービスを提供しています」
このような書き方では、新規客は「何が特徴なのか」が全くわかりません。何百もある類似サービスの中から、この企業を選ぶ理由が見つからないのです。
軸がある場合: 「社会人向けの実務スキルに特化したサービスです。少人数制で、短期間で成果が出ます」
このように書くと、「あ、実務スキルが必要な人向けなんだ」「少人数だから丁寧に見てくれそう」「短期間で成果が出るなら、忙しい社会人でも大丈夫かもしれない」という具体的なメリットが見えてきます。
事例2:サービス業
軸がない場合: 「サービスを提供しています。〇年の経験があります」
軸がある場合: 「20年の経験から培った、本格的なサービスを提供しています。初めてのお客様も『効果を感じた』と言ってくれます」
軸があると、経営者の「当たり前」が「新規客の安心感」に変わるのです。
軸を決める方法
では、どうやって「軸」を見つけるのか?それは、既存顧客に聞くことです。
ステップ1:既存顧客にインタビュー
既存顧客5~10人に「なぜ、他ではなく、うちを選んでくれたのか」と聞いてください。
聞き方のコツは、「具体的には、どこがいいのか」と深掘りすることです。「サービスがいいから」という抽象的な回答で満足してはいけません。
ステップ2:共通パターンを抽出
複数の顧客から出てきた回答の中に、共通のパターンがあります。それが、あなたの「軸」です。
例えば:
- 「少人数だから、自分のペースで進められる」「丁寧に見てくれる」
- 「経験が豊富だから、実務的なアドバイスがもらえる」
- 「短期間で成果が出た」
ステップ3:それを言語化する
そして、その「当たり前」を、新規客にもわかる言葉で説明します。
「少人数制」→「1クラス〇人までの少人数だから、講師が1人ひとりの進捗を確認できます」
「経験が豊富」→「〇年の経験から、実務的なアドバイスができます」
このような具体的な表現にすることで、軸が「伝わる言葉」になります。
No.2:新規客は誰か
情報発信は基本的に「新規客」を想定して発信します。
軸が決まったら、次は「その軸に共感する人は誰か」を決める段階です。
なぜターゲットを曖昧にしてはいけないのか
ターゲットを曖昧なまま進めると、サイトの内容が「誰にも響かないもの」になってしまいます。
例えば、「地域の人」「20~60代」というターゲット設定では、広すぎます。
20代と60代では、求めている情報が全く違うからです。
代わりに、以下のような具体的な設定をしてみてください。
具体的なターゲット設定の例
小売業の例:
× 曖昧:「地域の人」「20~60代」
◎ 具体的:「30~45歳の女性。既にオンラインストアで月2~3万円の購買経験がある。新しい商品情報を求めている層」
このように具体的に設定すると、「その人たちが見たい情報は何か」が見えてきます。
- 新商品の情報
- 商品の使い方のコツ
- お客様の事例
- お得なキャンペーン情報
このような情報が「その層」には響くのです。
No.3:サイトを通じて、新規客にしてもらいたいアクションは何か
「ゴール」が決まっていないと、サイトの成果は測れない
3つ目に決めるべきことは、「最終的に、新規客に何をしてもらいたいのか」というゴールです。
これがないと、サイトは「情報提供」で終わってしまい、実際の問い合わせや成約につながりません。
具体的なゴール設定の例
医療関連サービスの事例:
× 曖昧:「医院を知ってもらいたい」
◎ 具体的:「初診患者の予約をとってもらいたい」
このゴールが決まると、サイトに何を載せるべきかが決まります:
- 診療時間
- アクセス方法
- 初診時の流れ(初めての人の不安を減らす)
- スタッフ情報(信頼感を高める)
小売業の事例:
× 曖昧:「商品を知ってもらいたい」
◎ 具体的:「メール配信に登録してもらいたい」
このゴールが決まると:
- 「なぜメール配信に登録すべきか」という価値を示す
- 「メール購読者限定の情報」「先行販売」などの特典を提示
実例で見る:『3つが決まったサイト』の成果
では、実際に「3つのこと」を決めて、サイト制作を進めた企業の例を見てみましょう。
サイト制作前のプロセス
成功している企業は、以下のような順序で進めています:
- 現状ヒアリング:「何に困っているのか」「サイトで何をしたいのか」
- 既存顧客インタビュー:「なぜ選んでくれたのか」
- 軸の言語化:「うちの強みは何か」を明確にする
- ターゲット設定:「誰に届けるのか」
- ゴール設定:「新規客に何をしてもらいたいのか」
- サイト設計:「何を載せるのか」「どう見やすくするか」
この順序で進めることが、成功の鍵です。
実例1:教育関連事業者
ビフォー:
- 過去に作ったサイトがある
- でも「サービスの特色」が出ていない
- 自分たちで更新できない状態
- 月0~1件程度の問い合わせ
3つの決めたこと:
- 軸:「実務スキルに特化したサービス。少人数制で短期間に成果が出る」
- ターゲット:「経営層・管理職層。実務スキルが必要な人」
- ゴール:「体験申し込み」「法人向けサービスの問い合わせ」
アフター:
- サイトを新しく制作。「自社で更新できる仕組み」も整備
- サイトの内容が「差別化ポイント」を明確に示すように
- 法人向けサービスの問い合わせが増加
成果: 大企業からの「法人研修」の契約問い合わせまでつながりました。
実例2:小売関連事業
ビフォー:
- 過去に作ったサイト
- 更新方法がわからない
- サイト経由の問い合わせ:ほぼゼロ
3つを決めたこと:
- 軸:「要望に合わせた対応ができる柔軟性。」
- ターゲット:「推し活など色を指定したい人」
- ゴール:「オーダーメイドの受注」
アフター:
- サイト制作を通じて「事業の整理」もできた
- 自社で継続的に更新できるようになった
成果:サイト経由でのオーダーメイドの問い合わせが増加。大手企業からの発注。
よくある失敗パターン
反対に、「3つのこと」が決まっていない場合、どうなるのか?
パターン1:軸を決めずにサイト制作
「とりあえず、WEBサイトを作ろう」という気持ちで、軸を決めずに制作を進めると、「誰にも刺さらないサイト」になります。
情報は書かれているけど、「なぜここを選ぶべきなのか」という理由が見えないのです。
結果:問い合わせが来ない、成約につながらない。
パターン2:ターゲットを曖昧なまま
「地域の人なら誰でもいい」という曖昧なターゲット設定のまま進めると、「誰に見てもらいたいのか」が不明確なサイトになります。
30代と60代では、欲しい情報が違うのに、それを分けて考えていないのです。
結果:「平均的だけど、誰の心にも響かない」というサイトになります。
パターン3:ゴールがない
「サイトを作ることが目的」という状態で進めると、「サイトの成果が測れない」状態に陥ります。
「月何件の問い合わせを目指すのか」「どの程度の成約を期待するのか」が決まっていないので、改善もできません。
結果:作ったはいいけど、効果が出ているのか出ていないのか、不明な状態が続きます。
経営者ができること
では、あなたが実際にできることは何か?それは、以下の4つです。
ステップ1:既存顧客に「なぜ選んだのか」を聞く
5~10人の既存顧客に、直接聞いてみてください。
「なぜ、他のサービスではなく、うちを選んでくれたのですか」
ステップ2:それを3~5つの言葉で説明してみる
顧客の回答から、共通のパターンを抽出して、3~5つの「あなたの強み」として言語化してみます。
ステップ3:「その説明で、新規客は理解するか」を考える
「軸」が決まったら、「その説明で、新規客は本当に理解するだろうか」と自問自答してみてください。
専門用語ばかりになっていないか。新規客の視点で「選ぶ理由」として見えているか。
ステップ4:わかりづらければ、言葉を変える
「わかりづらい」と思ったら、言葉を変えてみます。
「少人数制」→「1クラス〇人だから、丁寧に見てもらえる」
このような具体的な表現に変えることで、新規客に「伝わる言葉」になります。
この4つのステップをやってみるだけでも、「あ、うちってこんなことが強みなんだ」という発見がたくさん出てきます。
最後に
「WEBサイト制作で最初に決めるべき3つのこと」は、自分1人では見つけにくいかもしれません。
なぜなら、あなたの「当たり前」は、新規客の目からは見えないからです。
新規客の視点で「本当にわかるか」「選ぶ理由が伝わるか」をチェックしてくれる、客観的な視点が必要です。
130社1,500件の企業をサポートしてきた中で、「3つのことの整理」だけで、その後のサイト制作が劇的に変わった企業がたくさんあります。
サイト制作を「成功させたい」なら、まずは「3つのこと」を決める段階から始めることをお勧めします。
あなたの事業を客観的な視点で見つめ直し、新規客に「伝わるサイト」を作る準備をしましょう。