「サイトはあるのに、なぜか問い合わせが来ない」
こういう相談を、経営者からよく受けます。
SNSもやっている。ブログもある。Googleマップにも登録している。それでも問い合わせが来ない。
多くの経営者はこの状態を「集客チャネルが足りないから」と考えます。だから新しいSNSを始めたり、広告を出してみたりします。
でも、ほとんどの場合、原因はそこではありません。
問い合わせが来ない本当の理由は、「サイトそのものの設計」にあります。
なぜ「集客チャネルを増やす」は間違いなのか
考えてみてください。
せっかくSNSや検索でサイトに訪問してくれた人が、「この会社、なんかよくわからないな」と感じたら、そのまま閉じます。問い合わせには至りません。
バケツに穴が開いているのに、水を注ぎ続けているようなものです。
チャネルを増やす前に確認すべきことがある。それがサイト自体の設計です。
問い合わせが来ないサイトに共通する3つの問題
130社を支援してきた経験から、問い合わせが来ないサイトには共通した問題があります。
問題1:『既存客視点』で作られている
サイトを見ていると、こういった情報が並んでいることがよくあります。
- 会社の沿革
- 代表の経歴・資格
- スタッフ紹介
- 社内の取り組み
これらは「すでに知っている人」には響きます。でも、「初めて訪問した人」にはどう見えるでしょうか。
「で、自分にとって何がいいの?」
この疑問に答えられていないサイトは、問い合わせが来ません。
あるクリニックを支援したときの話です。そのサイトには「院長の経歴」「診療実績」が中心に書かれていました。でも初診の患者さんが知りたいのは、「初めて行ったときの流れ」「院内の雰囲気」「どんな対応をしてもらえるか」という情報でした。
経営者視点では「うちの実績を伝えたい」。でも患者視点では「安心できるかどうかを確かめたい」。
このズレが、問い合わせを止めていたのです。
サイトを改修し、初診の流れ・院内写真・スタッフのメッセージを前面に出したところ、それまでゼロだったイベントへの新規患者の反応が出始めました。
問題2:『伝えたいこと』が言語化されていない
もう一つよくあるのが、「サービスの説明はある、でも選ぶ理由がわからない」という状態です。
英会話教室を支援したときのことです。サイトには「ネイティブ講師」「少人数制」「英語環境」という言葉が並んでいました。でも、5年間、サイト経由の問い合わせはゼロ件でした。
問題は「特徴の説明はある、でも価値が伝わっていない」ことでした。
「ネイティブ講師」→ それが自分にとって何を意味するのか?
「少人数制」→ 具体的に何人で、どんないいことがあるのか?
訪問者は「自分に関係があるか」がわからないと、そのまま離れます。
そこでオーナーの言葉を丁寧にヒアリングし、訪問者が理解できる言葉に変換しました。
「ネイティブ講師」→「1人ひとりの発音・表現の間違いに気づいてくれます」
「少人数制」→「1クラス〇人までだから、あなたの疑問にその場で答えられます」
言葉を変えただけで、サイト改修後2ヶ月で問い合わせが発生し始め、最終的に全問い合わせの30%がサイト経由になりました。
経営者が「当たり前」と思っている強みは、訪問者には全く伝わっていない。 これが言語化の重要性です。
問題3:『次のアクション』が設計されていない
サイトを訪問した人が「よさそうだな」と思ったとき、次にどうすればいいかわかりますか?
「お問い合わせはこちら」というボタンはある。でも、サービスの説明を読んだあと、料金ページへの誘導がない。FAQ がない。「まずは相談だけでも」という選択肢がない。
訪問者は迷います。迷ったまま閉じます。
問い合わせが来るサイトは、「訪問者が自然に次のページへ進む導線」が設計されています。
- サービスを読んだら → 料金を確認できる
- 料金を見たら → 事例や実績を確認できる
- 事例を読んだら → 相談へのCTAがある
この流れがないと、どれだけ内容が良くても問い合わせには至りません。
「うちのサイト、大丈夫?」チェックリスト
以下をサイトを開きながら確認してみてください。
□ 初めて訪問した人が「何の会社か」を5秒で理解できるか
□ 訪問者の「自分にとって何がいいのか」という疑問に答えているか
□ 「他ではなく、ここを選ぶ理由」が書かれているか
□ 専門用語や内部用語を使いすぎていないか
□ サービスページ→料金→事例→問い合わせへの自然な流れがあるか
□ 問い合わせのハードルが低い選択肢(相談・質問だけでも可)があるか
1つでも「怪しいな」と感じた箇所があれば、そこが問い合わせを止めている可能性があります。
集客チャネルより先にやるべきこと
SNSを増やしても、広告を出しても、サイトの設計が間違っていれば問い合わせは増えません。
逆に言えば、サイトの設計を正しくすれば、今いる訪問者が問い合わせに変わり始めます。
新しいことを始める前に、今あるサイトを見直す。これが最も費用対効果の高い集客改善です。
「うちのサイト、どこが問題なのかわからない」という場合は、一度ヒアリングで整理することをおすすめします。漠然とした課題でも、会話の中で具体的な改善箇所が見えてきます。