5年以上前に作られたサイトがありました。
見た目は悪くありません。でも、5年間、「そのサイト経由での問い合わせはゼロ」という状態が続いていたのです。
一体、何が間違っていたのか。
実は、その原因は「サイトの見た目」ではなく、「掲載内容が、新規客向けになっていなかった」という、根本的な問題にあったのです。
この学習教室の事例を通じて、「『制作だけ』では結果が出ない理由」と「『コンサル+制作』で何が変わるのか」が見えてきます。
ビフォー:『在校生用の掲示板』と化していたサイト
表面的には「サイトは存在する」
この学習教室には、既にサイトがありました。
作成されたのは5年以上前。制作会社が「プロフェッショナルに」作ったサイトです。
見た目は整っています。でも、1つ大きな問題がありました。
そのサイトは、『在校生のための掲示板ツール』と化していたのです。
在校生がアクセスする理由は、1つだけ。サイトに掲載されている教室カレンダーを確認するため。
それ以外の目的でアクセスする顧客はいませんでした。
新規客向けの情報が『全くない』という絶望的な状態
さらに詳しく見ると、問題はもっと深刻でした。
5年前のサイトに掲載されていた内容:
- 講師紹介
- 使用している教科書の紹介
- 教室カレンダー
掲載されていなかった内容:
- 「この教室は、どんな特徴があるのか」という情報
- 新規客が「この教室で学びたい」と思うきっかけ
- 教室へのアクセス方法
- 体験レッスンの流れ
つまり、新規客がそのサイトを見ても、「この教室は何なのか」「どう特徴があるのか」が全く見えない状態だったのです。
悪循環:「新規客は来ないから、サイトを使わない」
結果、どうなっていたのか。
新規客がこのサイトに訪れても、「興味を持つ情報がない」ため、問い合わせには至りませんでした。
その結果、「新規客からの問い合わせはゼロ」という5年間が続いていたのです。
本当の課題は何だったのか:『制作会社の責任』ではなく『事業の理解不足』
ここで、重要な指摘があります。
「このサイトが上手くいかなかったのは、制作会社の能力がなかったからではない」ということです。
制作会社は、「サイトを制作する」という仕事は、プロフェッショナルに行いました。
でも、本当に必要だったのは、「新規客が何を見たいのか」「この教室の強みは何なのか」という『事業の理解』です。
つまり、制作会社には、その『事業の理解』がなかったのです。
また、教室側も、「新規客向けのサイト」を作ろうという意識が、あまりなかったのかもしれません。
コンサルティングで見えたこと:『新規客が教室に興味を持つきっかけ』
では、どうやって状況は変わったのか。
それは、『コンサルティング』です。
教室のオーナーに、以下のような質問をしました:
- 「実際に、あなたの教室で学んでいる生徒さんは、なぜ選んでくれたのか」
- 「他の教室ではなく、この教室を選ぶ理由は何か」
- 「教室として、『最も伝えたいこと』は何か」
その対話を通じて、見えてきたのが:
「ネイティブ講師による少人数制。コミュニケーションを重視した環境で学べる」
この、教室の本当の『軸』です。
『新規客視点』への翻訳
次に、この『軸』を「新規客が見ても理解できる言葉」に翻訳しました。
「ネイティブ少人数制」→ 「1クラス〇人までの少人数だから、講師が1人ひとりの発音・表現の間違いに気づいてくれます」
「コミュニケーション重視」→ 「教室内では『英語で話すことが当たり前』。まるで留学しているのと同じ環境です」
「短期間での成果」→ 「〇ヶ月で『実際に英語が話せるようになった』という受講者さんのお声をいただいています」
このような『新規客が見ると、『あ、ここなら自分も学べるかもしれない』と感じる表現』に変えていったのです。
サイト改修:『新規客が教室に興味を持つ情報』の設計
こうして、サイト改修の方針が見えました。
トップページの改善
ビフォー: 「〇〇教室です」という簡潔な説明だけ
アフター: 「ネイティブ講師による少人数制で、まるで留学のような環境。〇ヶ月で英語が話せるようになります」という、新規客の興味を引く説明
『教室の特徴』セクションの追加
新規客が「この教室を選ぶ理由」を見える化しました。
- 「ネイティブ講師」の価値
- 「少人数制」による個別対応
- 「英語環境」での学習
- 「実績」(受講者のお声)
基本情報の充実
アクセス方法、体験レッスンの流れなど、新規客が「次のアクション」を取りやすい情報を追加
『選ぶ理由』を伝える情報の追加
なぜ、この教室で学ぶべきなのか。その理由が伝わる情報を随所に配置
結果:『月0件 → 月30%の問い合わせ増加』という変化
サイト改修後、どうなったのか。
反応が出始めたのは、サイト公開から2ヶ月後
改修されたサイトが公開されてから、約2ヶ月後、「新規客からの問い合わせ」が増え始めました。
改修前:サイト経由の問い合わせ = ゼロ
改修後:全体の問い合わせのうち、30%がサイト経由
数字だけで見ると「ゼロから30%」と聞こえるかもしれませんが、これは「5年間、全く機能していなかったサイトが、急に『集客ツール』に変わった」ということなのです。
『個人の体験申込』と『法人契約』の両立
さらに注目すべきは、問い合わせの内訳です。
- 個人の体験申込が増えた
- 同時に、『大手法人からの研修契約』も獲得した
個人の体験申込は『数』が多く、法人契約は『単価が高い』ため、どちらも経営にとって重要な成果です。
このように、『新規客の『ニーズ』に応えられるサイト』になったことで、複数のチャネルから『質の高い見込み客』が集まるようになったのです。
『制作だけ』と『コンサル+制作』の決定的な差
ここで、整理しておきましょう。
『制作だけ』の場合
プロセス:
- クライアントから「サイトを作ってください」と依頼
- 制作会社が「見た目いいサイト」を制作
- 完成
問題:
- 「新規客向けの情報」が何かが、クライアント自身も認識していない
- 制作会社は「サイト制作」に特化しているため、「事業理解」に時間をかけない
- 結果:「見た目いいけど、集客に繋がらないサイト」ができる
『コンサル+制作』の場合
プロセス:
- クライアントの事業をヒアリング
- 「何が強みなのか」「新規客は誰か」を言語化
- 「新規客が見たい情報」を設計
- サイトを制作
- 完成後も「効果が出ているか」を確認
メリット:
- クライアント自身が「事業の強み」を認識できる
- 「新規客向け」という視点が明確
- 結果:「新規客に響くサイト」ができる
この教室の場合
この教室は、正にこの『コンサル+制作』で進めました。
だから、「5年間、ゼロだった問い合わせ」が「月30%」に増えたのです。
なぜ『2ヶ月後』に効果が出たのか:『SEO』と『認知』には時間がかかる
ここで、1つ重要な指摘があります。
「サイト改修直後から、いきなり問い合わせが増えたわけではない」ということです。
効果が出始めたのは、「サイト公開から2ヶ月後」です。
なぜか。
それは、検索エンジンの『SEO評価』が、時間をかけて上がっていくからです。
また、サイト改修と並行して、『ブログ更新』なども進めています。
この教室は、ブログで「英語学習において重要なこと」「教室の考えていること」を発信し、新規客が「この教室は信頼できそうだ」と感じるようにしています。
つまり、『サイト改修』だけでなく、その後の『継続的な情報発信』も、成果につながっているのです。
重要な気づき:『短期での劇的な変化』ではなく『段階的な改善』
ここで、重要な現実を指摘しておきます。
このサイト改修で、「1日で問い合わせが10倍になった」というわけではありません。
「2ヶ月かけて、段階的に増えてきた」のです。
そして、今もブログ更新を進め、さらなる改善を目指しています。
つまり、『WEBは『即座の結果』ではなく『段階的な改善』の道具』という現実です。
多くの経営者は、「サイトを作ったら、すぐに問い合わせが増える」と期待します。
でも、本当は「数ヶ月かけて、段階的に改善される」というのが、現実的な予想値なのです。
あなたのサイトは『在校生用掲示板』になっていないか
以下のチェックリストで、あなたのサイトが「新規客向け」になっているか、診断してみてください。
□ サイトには「この事業の強みは何か」が明確に書かれているか
□ 新規客が「なぜこの企業を選ぶべきか」という理由が見える表現になっているか
□ 「新規客が最初に見たい情報」が、トップページに目立つように配置されているか
□ 5年以上前に作られたサイトをそのまま使い続けていないか
□ サイト制作後、継続的にブログやコンテンツを更新しているか
□ サイト経由の問い合わせ数を、把握しているか
1つ以上、「いいえ」があれば、サイト改修の時期かもしれません。
最後に
『制作だけ』と『コンサル+制作』の差は、一言で言えば:
「『見た目いいサイト』で終わるのか」「『集客につながるサイト』になるのか」という、その先にあるのです。
この教室のオーナーは、「5年間、サイトからの問い合わせがゼロ」という現実に向き合い、『事業の整理』から始めました。
その結果、「月30%の問い合わせ増加」「法人契約の獲得」という成果を手に入れたのです。
あなたのサイトも、単なる「情報掲示板」で終わっていないでしょうか。
一度、『新規客の視点』で、サイトの全体を見直してみてはいかがでしょうか。